九州ルーテル学院[熊本] こころと育ちの臨床研究所

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公認心理師制度の誕生について

今回は臨床心理士制度について、ご説明をします。少し変化もありましたので。

「ジャニス」には2人の臨床心理士と1人の精神保健福祉士が働いています。

臨床心理士は基本的に、大学と大学院(修士課程)で心理学を学び実習も重ねた人が、公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会が関係する認定機関の試験を受け、合格すれば臨床心理士となります。いわば、民営の資格です。一方、精神保健福祉士は大学などで一定の学習をした人が国家試験に合格することによって得られる公的資格です。医療機関においては、その活動が医療保険の点数となり医療機関の収入となります。

臨床心理士は主に人の悩みを聞く仕事ですので、弁護士や医師などと同じように、「一人前」になるには相当の経験を必要とします。他にも、認定心理士や学校心理士など多様な心理士制度がありますが、受験資格や試験の高度さなどからも、臨床心理士の信頼性は最も高いと言えます。全国に2万5000人、熊本にも200人以上の有資格者がいます。

ただし、臨床心理士は民営の資格であるため、病院や公的機関で活動する場合に精神保健福祉士のような保険の点数とならず、医療側の収入も生まず、臨床心理士の身分も不安定になっているという課題がありました。

このため、臨床心理士も国家資格化して医療機関の収入にもなることが、相談者・臨床心理士・医療機関の三者にとってプラスになるという意見が以前からありました。一方、人の悩みを聞く臨床心理士は基本的に「自由な立場」にあるべきではないかという慎重論もありました。

長い論議を経て、先の国会で「公認心理師法」が成立しました。2017年に施行されます。公認心理師の主な特徴は、養成コースを持つ大学や大学院で学び、実習も経た上で受験することになりそうです。臨床心理士の「大学院資格」はやや緩和されそうです。また、医療機関で活動する場合には、医師の指導や助言も受けることになります。

公認心理師の国家資格化で、カウンセラーになりたいという希望者が増えることも予想されます。九州ルーテル学院大の心理臨床学科も、公認心理師の養成課程を設けることを検討しています。その際には、「ジャニス」は実習を行う場になりそうです。大学では珍しい市民向けのカウンセリングセンターを大学が持っていることが、公認心理師の養成課程を運営する際にもいろいろと役に立つと思っています。

臨床心理士はどうなるのでしょうか。今のところ、大きな変化はなさそうです。臨床心理学を学び、相談技術をさらに深める場として維持されるのかもしれません。

ただし、既に臨床心理士の資格を持っている人が病院などの公的機関に勤務する場合には公認心理師資格が必要となりますので、認定試験が行われることになりそうです。

当面は、臨床心理士資格を持っている人が公認心理師も持つという形になりそうです。その後で、養成課程を経た公認心理師が誕生するということになります。

公認心理師の誕生でカウンセリングの必要性、有効性がさらに認められることになりました。日常生活や子育てなどで悩みを感じられた場合には、まず、お気軽に電話をいただきますように。

[2015-11-04] 春木 進